ボルトに使用されるステンレス鋼について

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ステンレス鋼の意味

ステンレスとは、Stain(しみ、汚れ)Less(少ない)の意味で、錆びにくい鋼の意味です。(材質により錆びるし又、磁性もあります。注意して下さい。)

ステンレス鋼の特徴

(1) 耐酸性が強い(錆びにくい)

炭素量が少ないと錆びにくい。
化学プラント関係は耐酸、対候性の強いオーステナイト系のボルトが使用される。

(2) 耐熱性が強い(高温に強い)

高温腐食によく耐えかつ高温強度も強いので耐熱用として広く使用される。
約400℃くらいまで強度が極端に落ちない。(約30%減)

(3) 熱膨張係数が高く、熱伝導率が悪い(焼付く)

普通鋼に比べ304の場合熱を3倍伝えにくく、膨張率は約1.5倍である。
焼付くとナットは絶対に外れない。

(4) 焼付き防止対策が必要です

16M以下のナットには内面ねじ面に焼き付き防止のコーテイングされている。
太物は二硫化モリブデンの焼き付き防止剤を塗布する。
ボルトとナットのステンレスの材質を変える。

ステンレス鋼の用途

ステンレスボルト類は耐食性が要求される用途のほかに、装飾用、耐熱性、耐寒性が必要な用途まで幅広い需要があり水道、上水道、病院、化学プラント及びシャフト、刃物、ジェットエンジン部品等にまで使用されている。

ステンレス鋼の表示方法

上記表示は、オーステナイト系ステンレス鋼の2種で引っ張り強さの最小値が700N/mm²(71.4㎏f/mm²)の意味です。

ステンレス鋼の分類

鉄に12%以上のクロムと他の元素(ニッケル、モリブデン、チタン等)を添加した合金鋼です。
金属組織により、オーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系と大別されます。

(1) オーステナイト系(18-8 ステンレス鋼)

18Cr~8NiクラスでCr、Niの合金で、溶接性もよく広く使用されている。
一般的に非磁性体であるが、冷間加工後多少の磁性が出ることがある。
A2の鋼種はもっとも活用されている鋼であるが、塩化物になる用途には適さない。(海水プール)
A4の鋼種はMo合金で耐食性の強い耐酸鋼である。
Lはローカーボン(低炭素)で、さびが発生しにくいです。

鋼種区分 JIS鋼種名 旧呼称 主たる化学成分
C S Cr Mo Ni Cu
A1 SUS 303 SUS 60 0.15 0.15 17.0~19.0   8.0~10.0  
A2 SUS 304 SUS 27 0.08 0.03 18.0~20.0   8.0~10.5  
SUS 304L SUS 28 0.03 0.03 18.0~20.0   9.0~13.0  
SUS XM7 SUS XM7 0.08 0.03 17.0~19.0   8.5~10.5 3.0~4.0
A4 SUS 316 SUS 32 0.08 0.03 16.0~18.0 2.0~3.0 10.0~14.0  
SUS 316L SUS 28 0.03 0.03 16.0~18.0 2.0~3.0 12.0~15.0  

(2) マルテンサイト系(13Cr ステンレス鋼)

焼き入れ、焼き戻しを行うことにより高強度、伸延性、靭性を得ることが出来る。
強磁性を示し、耐熱性が高く約500℃ぐらいまで耐えます。

鋼種区分 JIS鋼種名 旧呼称 主たる化学成分
C S Cr Mo Ni Cu
C1 SUS 403 SUS 50 0.15 0.03 11.5~13.0      
SUS 410 SUS 51 0.15 0.03 11.5~13.0      
C3 SUS 431 SUS 44 0.2 0.03 15.0~17.0 0.6 1.25~2.5  
C4 SUS 416 SUS 54 0.15 0.15 12.0~14.0      

(3) フェライト系(18Cr ステンレス鋼)

硬化処理が出来ません。
焼きなまし状況で使用され、加工性、伸延性に優れています。
強磁性を示します。

鋼種区分 JIS鋼種名 旧呼称 主たる化学成分
C S Cr Mo Ni Cu
F1 SUS 430 SUS 24 0.12 0.15 16.0~18.0      

ステンレス鋼の強度区分

鋼種区分 強度区分 引張強さ 耐力 引張強さ 耐力
N/mm² N/mm² kgf/mm² kgf/mm²
A 50 軟質 500 210 51 21.4
70 冷間加工 700 450 71.4 45.9
80 冷間j強化工 800 600 81.6 61.2
C 50 軟質 500 250 51 25.5
70 焼き入れ、焼き戻し 700 410 71.4 41.8
80 焼き入れ、焼き戻し 800 640 81.6 65.3
F 45 軟質 450 250 45.9 25.5
60 冷間加工 600 410 61.2 41.8

※ ステンレス鋼のA50はSS400の強度より弱いです。
  小ねじの場合注意して下さい。
  一般的にボルト類はA2-70(SUS304)が使用されています。
  SS400(4.8)の耐力は320N/mm²です、A2-70は450N/mm²です。
  約30%強度が強いです。
  マルテンサイト系は熱処理により強度が異なりますので注意してください。

参考・引用文献 : 日本ねじ商業組合「ねじ総合カタログ」

究極のステンレスボルト BUMAX(スウェーデン製)

8.8、10.9の高強度ステンレスボルト

従来のステンレスボルトを大きく上回る耐食性、耐熱性と温度変化に左右されない高強度。

究極のステンレスボルト BUMAX 従来のステンレスボルト
(1)高強度8.8(耐力65.3kg/mm²)、10.9(耐力91.8kg/mm²) A4-70(耐力45.9kg/mm²)
(2)耐熱性(大気中で600℃保証) SUS316(400℃)
(3)耐蝕性(20%硫酸腐食試験) SUS316の3倍
(4)非磁性(透磁率1.006) SUS304(透磁率1.400)
(5)低摩擦係数(0.19) SUS316の50%以下
製品名 BUMAX
(PDFダウンロード:476KB)
輸入総販売元 SPSアンブラコ株式会社

ボルト基礎 内容目次

ねじ規格の変遷
ボルト関係に使用される主な鉄鋼材料
ボルトの強度、機械的性質と保証荷重
ボルトの締め付けトルク
ボルト径基準による 6角2面幅寸法 及びピッチ
ステンレス材料規格
機械部品、ボルト、に使用されている主たるプラスチック材料
ボルトに用いられている主な表面処理
チタン製のボルトについて
あと施工アンカー[分類表]
ねじJIS規格

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